概要  
 

WindowsまたはLinuxのTeXを使用して、科学技術文章の演習をします。

実習内容

  1. Gnuplot設定
  2. 練習課題1:実験データを使った表とグラフの作成
  3. ImageMagic設定
  4. 練習課題2:図(epsファイル)の作成
  5. 練習課題3:科学技術文章の作成
  6. 課題

 

 
Gnuplot設定  
 

はじめに Gnuplotの設定をします。 Gnuplotのフォントの問題を解決します。

Gnuplotを実行後、ウインドウ内で右クリックし、「Choose Font」を選択します。

フォントのダイアログで、フォントサイズを大きくし、「OK」をクリックします。

フォントが大きくなったところで、もう一度右クリックし、「Update wgnuplot.ini」をクリックします。

次回の起動からこの設定になります。

 

 
練習課題1  
 

実験データを使った表とグラフの作成

ある増幅回路の入出力電圧の測定データです。 

このデータを使用して、表とグラフを作成しなさい。

ただし、測定誤差を考慮し、有効数字は3桁とする。

入力電圧mV, 出力電圧V

0, 0.081884867 0.2, 0.455836418 0.4, 0.881710410 0.6, 1.207776114 0.8, 1.517363848 1, 1.724903550 1.2, 1.974722094 1.4, 2.082802749 1.6, 2.043485367 1.8, 2.012322934 2, 1.899580627

 

 
有効数字  
 

有効数字は、ある桁で数値を丸める処理です。

「測定誤差を考慮し、有効数字は3桁とする。」は、

「測定誤差が原因で、測定したデータ(数値)は3桁しか意味を持たない。」ということです。

そこで、以下のように、0以外の数値の4桁目を四捨五入し、3桁にします。

繰り上がりで2桁になった場合は特別に「0」をつけ3桁にします。

入力電圧mV, 出力電圧V

0, 0.0819 0.200, 0.456 0.400, 0.881 0.600, 1.21 0.800, 1.52 1.00, 1.72 1.20, 1.97 1.40, 2.08 1.60, 2.04 1.80, 2.01 2.00, 1.90

別の書き方をすれば次のようになり、有効数字3桁であることが確認できます。

入力電圧mV, 出力電圧V

0, 8.19×10^-2 2.00×10^-1, 4.56×10^-1 4.00×10^-1, 8.81×10^-1 6.00×10^-1, 1.21 8.00×10^-1, 1.52 1.00, 1.72 1.20, 1.97 1.40, 2.08 1.60, 2.04 1.80, 2.01 2.00, 1.90

 

 
LaTeXで表作成  
 

LaTeXで表を作成します。

TeX 説明
\section{実験結果}

増幅回路の入出力の特性を表\ref{tbl:kairo}に示す.

\begin{table}[htbp]

\caption{増幅回路の入出力の特性}
\label{tbl:kairo}

\begin{center}
\begin{tabular}{l|l}
\hline
\multicolumn{1}{c|}{入力電圧[mV]}
 & \multicolumn{1}{|c}{出力電圧[V]}\\
\hline
0&     0.0819\\
0.200& 0.456\\
0.400& 0.881\\
0.600& 1.21\\
0.800& 1.52\\
1.00&  1.72\\
1.20&  1.97\\
1.40&  2.08\\
1.60&  2.04\\
1.80&  2.01\\
2.00&  1.90\\
\hline
\end{tabular}
\end{center}

\end{table}

表のタイトルは測定データがわかるように「増幅回路の入出力電圧の特性」とします。

項目は「入力電圧[mV]」と「出力電圧[mV]」です。

単位は、測定データにはつけずに項目に必ず書きます。

測定データは、小数点の位置でそろえます。

桁数の関係で小数点の位置がそろわない場合、指数表現にする場合もあります。

 

LaTeXを実行し確認します。

 

 

Gnuplotグラフ作成

 
 

Gnuplotで実験データグラフを作成します。

エディタを使用してデータファイル(kadai1.dat)を作成します。

kadai1.dat 説明

0, 0.0819 0.200, 0.456 0.400, 0.881 0.600, 1.21 0.800, 1.52 1.00, 1.72 1.20, 1.97 1.40, 2.08 1.60, 2.04 1.80, 2.01 2.00, 1.90

Gnuplotを実行し、実験データのグラフを確認します。→教科書 p.134

Gnuplot 説明

set terminal windows mono
plot 'kadai1.dat' with linespoints

set terminal windows mono でモノクロームのグラフを作成します。

データファイル(kadai1.dat)を読みこみ、グラフを作成します。

 

 

エディタを使用してGnuplotのプログラムファイル(kadai1.plt)を作成します。

kadai1.plt 説明

set terminal postscript eps
set output 'kadai1.eps'

set xlabel 'Input [mV]'
set ylabel 'Output [V]'

plot 'kadai1.dat' title '' with linespoints
set output

set terminal windows

set terminal postscript eps でPostScriptのeps出力を指定します。(グラフはモノクロームです。)

set output でepsファイル名を指定します。ファイル名は「'」または「"」で囲みます。

set xlabel set xlabel でx軸のラベルとy軸のラベルを入れます。英語で書きます。

plot でグラフをプロットします。

titleは「''」を使うと消去されます。

set output でepsファイルへの書き出しを完了します。(これをやらないとTeXからファイルが読み出せない。)

set terminal windows でもとに戻ります。

 

Gnuplotで、kadai1.pltを開いて実行します。

このとき、ウインドウにはグラフは表示されません。(直接ファイルに描かれるため。)

epsファイル(kadai1.eps)ができたことを確認します。

 

 
LaTeXにグラフ  
 

epsファイルをTeXに入れます。表の後に入力します。

TeX 説明

増幅回路の入出力の特性を図\ref{fig:kadai}に示す.

\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=10cm,clip]{kadai1.eps}
\end{center}
\caption{増幅回路の入出力電圧の特性}
\label{fig:kadai}
\end{figure}

図のタイトルは測定データがわかるように「増幅回路の入出力電圧の特性」とします。

 

LaTeXを実行し確認します。

 

 
おまけ:ImageMagic  
 

ImageMagic(http://www.imagemagick.org/)は、さまざまな画像データを変換することができます。

ImageMagicをインストールします。

(練習課題2で必要になります。)

必要なファイル:ImageMagick-6.0.1-Q16-windows-dll.exe (7.35MB)

1.実行するとインストーラが起動します。

2.指示に従ってインストールします。

 

 
練習課題2  
 

図(epsファイル)の作成

ImageMagicに対応する画像ファイルであれば、epsファイルに変換できます。

ここでは、PowerPointで作成した図をepsファイルに変換し、TeX文書に入れます。

パワーポイントで図を作成します。

→サンプルのダウンロード(latex1.ppt

メニューから「ファイル」→「名前を付けて保存」をクリックします。

ファイルの種類を「PNG...」にして、「保存」をクリックします。

保存するページを聞いてきますので、「現在のスライド」をクリックします。

これは、直接 pptファイルからepsファイルに変換できないため、中間ファイルとしてpngファイルを使用します。

「コマンドプロンプト」を実行します。pngファイルを保存したディレクトリに移動します。

コマンドプロンプト 説明

convert latex1.png latex1.eps

convert はImageMagicのコマンドです。

拡張子を自動判別し、画像ファイルの変換を行います。

 

コマンドプロンプトの実行結果は、エラーがなければ何も表示されません。

latex1.epsファイルを確認します。

TeXにepsファイルを入れます。

TeX 説明

LaTeXで必要なファイルおよび
生成されるファイルの関係を図\ref{fig:latex}に示す.

\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=10cm,clip]{latex1.eps}
\end{center}
\caption{LaTeXで必要なファイルおよび生成されるファイルの関係}
\label{fig:latex}
\end{figure}

LaTeXを実行し確認します。

 

 
練習課題3  
 

次の文章を科学技術文章になおしてください。

その1

 教科書 p.2

その2

 教科書 p.9

 

 
参考  
 

教科書 「知的な科学・技術文章の書き方」 (中島利勝、塚本真也 共著)

参考書 「LaTeX2e美文書作成入門」 (奥村晴彦 著)

 

 
アンケート  
 

・「アンケート」に答えてください。

 

 
課題  
 

講義で指示します。

課題

 

   
  (C)2004 Takashi Kohama, TDU/SIE