概要  
  WindowsまたはLinuxのTeXを使用して、TeXの基本機能を学びます。

実験・実習レポートの作成ができるように実習します。

  1. 表紙
  2. 文章の構造化
  3. 科学技術文章
  4. 箇条書き
  5. 数式
  6. プログラム
  7. 参考文献
  8. レイアウト

次にTeXの便利な機能を紹介します。

  1. 2段組
  2. 目次

 

 
TeXの実行  
 

TeXの文章は、テキストエディタで入力します。

WindowsではWinShellやメモ帳、Linuxではemacsやgeditで入力します。

※練習のため、できる限りキーボードから入力しましょう。
(1度でも自分で入力した部分はコピー&ペーストを許可します!)

※解説をよく読んで、使い方を覚えます。一度にすべて行わないで動作を確認します。

WinShellの場合

文書を変更したらファイル保存し、「LaTeXの実行」をします。また「DVIWinの実行」でDVIファイルを表示します。

dvioutは終了せずにウインドウを残します。

次からは「LaTeXの実行」のみで、自動的に更新されます。

Linuxの場合

コンソールで、platexコマンドを使用します。

エラーがなければ、xdviでDVIファイルを表示します。

 

 
表紙  
 

はじめに表紙(タイトルページ)を作ります。 →教科書 p.47

表紙に記述する内容は、テーマ、学籍番号、氏名、実験日、提出日、指導教員です。(科目によって省略する場合もありますので確認してくいださい。)

WinShellなどのエディタを使って、次のTeXを入力します。これは、レポートの基本構成・テンプレートになります。

TeX 説明
%
% LaTeX2eの実習
%
\documentclass{jarticle}

\begin{document}

% 表紙
\title{ \LaTeX2 $\varepsilon$ の実習}
\author{学籍番号:01id999 氏名:電大でんこ}
\maketitle

% 本文

ここから文章を書く.

科学技術文章を書く.
      知的な文章を書く.

\end{document}

%」行はコメントです。書かなくても出力結果は変わりません。

\」に続く文字列はコマンドです。コマンドは書式などを設定します。コマンドは、{}かっこ、改行、スペースが区切りになっています。

はじめに \documentclass コマンドで、jarticle を指定します。

クラスは、文章のスタイルや体裁を整えるために使用します。このようにTeXは、文章とスタイルを独立させて書きます。
クラスには、英文用のクラスarticle(短い文章), report(片側印刷のレポート), book(両面印刷の本)があります。
日本語用は、jarticle,jreport,jbookのように「j」がつきます。

次にタイトルを作ります。
\titleは、タイトル(テーマ)を設定します。
\authorは、著者(学籍番号・氏名)を設定します。
\dateは、日付(実習日など)を設定します。
ただし、\dateを省略すると今日の日付が入ります。
また、\date{} とすると表示しなくなります。
(上記の設定だけでは表示を行いません。)
\maketitle コマンドでタイトルを表示します。

\begin{document}\end{document} の間に文章を入れます。

}は半角です。全角の}と間違えないように入力します。

スペースは、いくつ入れても1つとして扱います。(全角のスペースは文字とみなしますので空きます。)

1つの改行は無視されます。2つの改行は1つの改行になります。それ以上改行を入れても1つとして扱います。

 

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

このjarticleやarticle場合は、1ページにテーマ・氏名・本文・日付が入ります。また、ページ番号が入ります。

ルール:実験・実習レポートでは、テーマ・氏名は、1ページの独立した表紙(タイトルページ)を作成します。

ルール:表紙はページ番号を入れないで、次のページから1とします。

\documentclassにjreportを使うことでもできますが、不具合がありますので、今回はjarticleを使い、次のように追加してください。

TeX 説明
%
% LaTeX2eの実習
%
\documentclass[titlepage]{jarticle}
\begin{document} % 表紙 \title{ \LaTeX2 $\varepsilon$ の実習} \author{学籍番号:01id999 氏名:電大でんこ} \maketitle % 本文 ここから文章を書く. 科学技術文章を書く. 知的な文章を書く. \end{document}

\documentclass[titlepage]{jarticle}は、タイトルページを独立させ、ページ番号を表示しないようにします。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

日付部分に今日の日付が入ります。そこで、日付部分に実験日などに変更してみます。

TeX 説明
%
% LaTeX2eの実習
%
\documentclass[titlepage]{jarticle}
\begin{document} % 表紙 \title{ \LaTeX2 $\varepsilon$ の実習} \author{学籍番号:01id999 氏名:電大 でんこ} \date{実験年月日:2004年5月18日\\ 提出年月日:2004年5月27日\\ \ \\ 指導教員:○○ ○○} \maketitle % 本文 ここから文章を書く. 科学技術文章を書く. 知的な文章を書く. \end{document}

今回は、\date{}に必要項目を入れます。

したがって、かなり強引な方法になってしまいます。

\\」は強制改行になります。(ただし空行の強制改行はできません。)

提出年月日と指導教員の間が詰まりすぎていますので、「\ \\」と書くことで、強制スペースを入れて改行します。これで空行を作ります。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

おまけです。

表紙の文字列の位置を調整する場合は、本来はスタイルファイルを変えるべきですが、以下のようにして調整もできます。

TeX 説明
%
% LaTeX2eの実習
%
\documentclass[titlepage]{jarticle}
\begin{document} % 表紙 \title{\LaTeX2 $\varepsilon$ の実習} \author{\vspace*{20mm}\ \\ 学籍番号:01id999 氏名:電大 でんこ} \date{\vspace*{20mm}\ \\ 実験年月日:2004年5月18日\\ 提出年月日:2004年5月27日\\ \ \\ 指導教員:○○ ○○} \maketitle % 本文 ここから文章を書く. 科学技術文章を書く. 知的な文章を書く. \end{document}

文字列行間が狭い場合は、広げたい場所で、

\vspace*{20mm}\ \\

を書くと行間を広くできます。

このとき、パラメータの20mmは調整してください。

 

 

 

文章の構造化  
 

文章を構造化について説明します。→教科書 p.49

文章を構造化して書くには、文章を書き始める前に、ストーリーを考え、枠組み・見出しを考えます。

はじめにセクション「節」に分けて大きな枠組みを考え、さらに必要に応じて細かいサブセクション「小節」を考えます。

ルール:実験レポートでは、実験の目的、方法、結果、考察・検討、参考文献のセクションにわけて記述します。

TeX 説明
%文章の構造化
% 枠組み・セクションを作る. \section{実験目的} 実験目的は,・・・である. \section{実験方法} 実験方法は,・・・である. 実験装置図 \section{実験結果} 実験結果は,・・・である. 実験の図・表 \section{考察・検討} 考察・検討は,・・・である. 考察検討の図・表 \section*{参考文献} (参考文献

TeXの本文に書きます。

\section で見出しを書きます。

セクション番号は自動的に付きますので必要ありません。

参考文献では、\section*を使って番号をつけません。

(参考文献の内容はあとで書きます。)

 

次にサブセクションを作ります。

実験・実習内容によって、文章の構成が変わるので、教科書を参考に考えてください。

TeX 説明
\section{実験方法}
% サブセクションを作る. \subsection{実験装置} 実験装置は・・・である. \subsection{実験条件} 実験条件は・・・である.

実験方法の中にサブセクションを作ります。

\subsection で見出しを書きます。

サブセクション番号は自動的に付きますので必要ありません。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

section,subsectionは、文章の構成上、移動を行った場合に、番号を自動的に修正してくれます。

 

 

科学技術文章  
 

科学技術文章の重要なルールを書きます。厳守してください。 →教科書 p.1

ルール:横書きにする。

ルール句読点は「,」「.」を使用する。(読点「。」が許可される場合もある。)

ルール文体は口語文章体「〜である調」で記述する。

ルール:主語が執筆者の場合、主語は省略する。「私」「自分」「私達」を主語とすることはできない。

ルール:形式名詞はひらがなにする。(→教科書 p.5 表1.1)

ルール:補助動詞はひらがなにする。(→教科書 p.6 表1.2)

ルール:中点「・」、括弧「「」」、コロン「:」の使い方に注意する。

ルール:接続詞はひらがなにする。

ルール:常用漢字以外の漢字は使用しない。(ただし、氏名は本人が記述したとおりに書く。)(→教科書 p.11 表1.3)

ルール:漢字の当て字は使用できない。(→教科書 p.17 表1.6)

ルール:漢数字の使い方に注意する。(ほとんど場合はアラビア数字を使う。)

ルール:副詞は、ひらがなと漢字を使い分ける。(→教科書 p.15 表1.4と p.16 表1.5)

文章記述の一般的なルール

ルール:段落冒頭は1文字開ける。 (TeXは自動的に行います。)

ルール:禁則処理をする。 (TeXは自動的に行います。)

ルール:誤字、脱字の検査する。

ルール:漢字の送り仮名、同音異義語の検査する。

 

※詳細は、教科書を参考にしてください。

 

 

箇条書き  
 

箇条書きについて説明します。→教科書 p.44

ルール:箇条書きは文章を列挙・比較・対比する場合に使用する。

ルール:文章中に項目を入れる「入れ子」にする記述と「前置き形式」がある。

ルール:文章では「体言止め」を使わない。→ただし箇条書きの「前置き形式」では使うことはできる。

TeX 説明
% 箇条書き「入れ子」
\subsection{箇条書き}

記号付き箇条書きは,
\begin{itemize}
\item 箇条書きする.
\item 箇条書きする.
\item 箇条書きする.
\end{itemize}
である.

番号付き箇条書きは,
\begin{enumerate}
\item 箇条書きする.
\item 箇条書きする.
\item 箇条書きする.
\end{enumerate}
である.

見出し付き箇条書きは,
\begin{description}
\item [見出し1] 箇条書きする.
\item [見出し2] 箇条書きする.
\item [見出し3] 箇条書きする.
\end{description}
である.

箇条書きの番号は自動的に付きます。

箇条書きのスタイルは3種類あります。

itemize は記号「・」で始まります。

enumerate は番号「1」,「2」,「3」などではじまります。

description は見出し文字を指定できます。

箇条書き項目は、\item を使い、箇条書きのスタイルで囲みます。

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

TeX 説明
% 箇条書き「前置き形式」

記号付き箇条書きは,以下のとおりである.
\begin{itemize}
\item 箇条書き
    \begin{itemize}
    \item 箇条書き
    \item 箇条書き
    \item 箇条書き
    \end{itemize}
\item 箇条書き
\item 箇条書き
\end{itemize}

番号付き箇条書きは,以下のとおりである.
\begin{enumerate}
\item 箇条書き
    \begin{enumerate}
    \item 箇条書き
    \item 箇条書き
    \item 箇条書き
    \end{enumerate}
\item 箇条書き
\item 箇条書き
\end{enumerate}

見出し付き箇条書きは,以下のとおりである.
\begin{description}
\item [見出し1] 箇条書き
    \begin{description}
    \item [見出し1] 箇条書き
    \item [見出し2] 箇条書き
    \item [見出し3] 箇条書き
    \end{description}
\item [見出し2] 箇条書き
\item [見出し3] 箇条書き
\end{description}

箇条書きの中に箇条書きをネストすることもできます。

ネストしても箇条書きの番号は自動的につきます。

ネストした場合は、インデントをするとわかりやすくなります。

3種類の組み合わせもできます。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

図の挿入  
 

文章中に図を貼り付ける方法を説明します。

図はpsまたはepsファイルを使います。その他の形式ではOSによって使用できない場合があります。

LaTeXを実行する前に図のソースファイルをコピーします。
Windowsの場合、c:\gs\gs7.07\examples\tiger.ps を texファイルと同じのフォルダにコピーします。

TeX 説明
\documentclass[titlepage]{jarticle}


% パッケージの宣言
\usepackage[dvips]{graphicx}

\begin{document}

プリアンブル部分(\documentclass\begin{document}の間)にgraphicxパッケージを宣言します。

 

図を挿入したい場所に次のように書きます。

TeX 説明

% 図の挿入
\subsection{図の挿入}

図を入れたい場所に
\begin{center}
\includegraphics[width=5cm,clip]{tiger.ps}
\end{center}
と書く.

図を中央にするため、center環境にします。

ディレクトリを直接指定するには、
{c:/gs/gs7.07/examples/tiger.ps}
としてください。

図の幅は、width=xx 高さはheight=xx で指定します。xxには単位をつけます。
図の大きさを比で指定するには、scale=yy で指定します。yyが1の時、原図の大きさになります。

clipオプションは、描画領域の外枠を入れないという指定です。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

図の配置  
 

文章の外に図を配置します。→教科書 p.117

ルール:実験レポートでは、図のみを文章中に入れることはありません。必ず図番号を入れます。

ルール:図番号と図タイトルは、図に下に入れる。

ルール:図の説明では、必ず図番号を参照する。

TeX 説明

% 図の配置
\subsection{図の配置}

図を配置するために, figuer環境を使う.

\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=5cm,clip]{tiger.ps}
\end{center}
\caption{トラ}
\label{fig:tiger}
\end{figure}

図番号を参照する時は次の様に書く.

図\ref{fig:tiger}はトラである.

トラを図\ref{fig:tiger}に示す.

図を配置するおおよその位置は、\begin{figure}の後に指定します。
\begin{figure}[h]では、その位置に入ります。
[t]は、ページの上の方に入ります。
[b]は、ページの下の方に入ります。
[p]は、次のページに配置します。
これらのオプションは複数、順序指定できます。
[htbp]は、hで入らなければ、t。tで入らなければb。bで入らなければp。となります。

\captionは、図番号と図タイトルを付けます。

\labelは、図番号を参照するためのラベル(名前)です。

図番号は自動的に付きます。

\refは図番号を参照する時に使います。

図番号が??の時は、LaTeXを再実行します。

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

表の挿入  
 

文章中に表を挿入します。

まず、簡単な表を作ってみます。

TeX 説明

% 表の挿入
\subsection{表の挿入}

表を挿入するには, tabular環境を使う.
\begin{center}
\begin{tabular}{|c|c|c|}
\hline
1 & 2 & 3 \\
\hline
4 & 5 & 6 \\
\hline
7 & 8 & 9 \\
\hline
\end{tabular}
\end{center}

\begin{center}
\begin{tabular}{|l|c|r|}
\hline
書籍名 & おすすめ度 & 価格 \\
\hline
知的な科学・技術文章の書き方 & ◎ & 1,900 \\
\hline
\LaTeX2$\varepsilon$ 美文書作成入門 & ◎ & 2,980 \\
\hline
東京・歩く人 & △ & 10,000 \\
\hline
\end{tabular}
\end{center}

表を中央にするため、center環境にします。

tabular で表を作ります。

{|c|c|c|} は、「c」はセンタリング(中央配置)、「ccc」で3列、「|(縦棒)で縦ケイ線を示します。

r」はライト(右揃え)、「(小文字のL)はレフト(左揃え)です。

\hline は横ケイ線を示します。

&」は表の要素の区切り、「\\」は行の終わりを示します。

表の大きさは、表中の要素によって自動的に調整されます。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

表の配置  
 

文章外に表を配置します。→教科書 p.163

ルール:実験レポートでは、表のみを文章中に入れることはありません。必ず表番号を入れます。

ルール:表番号と表タイトルは、表に上に入れる。

ルール:両端の縦ケイ線はつけない。横ケイ線は必要最小限とする。

ルール:表の説明では、必ず表番号を参照する。

TeX 説明

% 表の配置
\subsection{表の配置}

表を配置するために, table環境を使う.
\begin{table}[htbp]
\caption{価格表}
\label{tbl:kakaku}

\begin{center}
\begin{tabular}{l|c|r}
\hline
\multicolumn{1}{c|}{書籍名}
 & \multicolumn{1}{|c|}{おすすめ度}
 & \multicolumn{1}{|c}{価格} \\
\hline
知的な科学・技術文章の書き方 & ◎ & 1,900 \\
\LaTeX2$\varepsilon$ 美文書作成入門 & ◎ & 2,980 \\
東京・歩く人 & △ & 10,000 \\
\hline
\end{tabular}
\end{center}

\end{table}

表番号を参照する時は次の様に書く.

表\ref{tbl:kakaku}は価格表である.

価格表を表\ref{tbl:kakaku}に示す.

表を配置するおおよその位置は、\begin{table}の後に指定します。
\begin{table}[h]では、その位置に入ります。(オプションは図と同じです。)

\captionは、表番号と表タイトルを付けます。

\labelは、表番号を参照するためのラベル(名前)です。

表番号は自動的に付きます。

項目のセンタリングは、\multicolumn{1}{c}を使います。本来はカラムを連結するときに使用します。オプション{1}は、連結しないで1カラムのみを指定します。{c|}は、項目のセンタリングと縦ケイ線を示します。

表の要素の文字列では、改行が無視されます。

\refは表番号を参照する時に使います。

表番号が??の時は、LaTeXを再実行します。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

数式  
 

数式を書きます。

TeXの数式の表現・見易さ・美しさは定評があります。

TeX 説明

% 数式を書く
\subsection{数式}

文章中に書く数式は $ y=x $ である.

別行立ての数式は、\[ y=x^{2} \] である.

複雑な式も書くことができる.
\[
 y(t) = a_{1} \sin( 2 \pi f_{1} t )
\]

$」記号と「$」記号の中は「数式モード」になります。

数式モードでは、数式記号が使えます。またスペースは、自動的に調整されます。

\[」と「\]」の中に数式を書くと、数式モードで1行使用します。

_」で下付き、「」で上付きになります。「{」と「}」は表示されませんが、適用範囲を指定します。

{」や「}」かっこを表示するには、「\{」「\}」とします。

\pi」はπです。sin関数は\sinです。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

数式番号を入れます。

ルール:文章中の数式には、数式モードを使う。

ルール:別立て数式には式番号を入れる。

ルール:文章中の数式中の記号の説明(定義)は文章中で行う。また、記号は数式モードを使う。

TeX 説明

% 数式を参照する
\subsection{数式の参照}

数式に自動的に番号を付ける.
\begin{equation}
 E = mc^{2} \label{eq:emc}
\end{equation}

式番号を参照するには次のように書く.

式\ref{eq:emc}はエネルギー$E$を示す.

エネルギー$E$を式\ref{eq:emc}に示す.

equation も別行立ての数式モードと同じですが、式番号が自動的に入ります。

\labelは、式番号を参照するためのラベル(名前)です。

式番号は自動的に付きます。

\refは式番号を参照する時に使います。

式番号が??の時は、LaTeXを再実行します。

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

複数の数式  
 

複数の数式を美しく並べます。

TeX 説明

% 複数の数式を書く
\subsection{複数の数式}

複数の数式を書く.
\[
\begin{array}{lcr}
 S(t) &=& \sin( \omega t )\\
 C(t) &=& \cos( \omega t )
\end{array}
\]

2つの式に1つの式番号を付ける.
\begin{equation}
\begin{array}{lcr}
 S(t) &=& \sin( \omega t )\\
 C(t) &=& \cos( \omega t )
\end{array}
\end{equation}

2つの式に式番号を付ける.
\begin{eqnarray}
 S(t) &=& \sin( \omega t )\\
 C(t) &=& \cos( \omega t )
\end{eqnarray}

片方の式番号を消す.
\begin{eqnarray}
 S(t) &=& \sin( \omega t )\\
 C(t) &=& \cos( \omega t )\nonumber
\end{eqnarray}

複数の数式を書き、"="(イコール)の位置を合わせます。

&=&」で位置を合わせることができます。

式番号の有・無またはつけ方で、書き方が4種類あります。

1. \[ と array
2. equationarray
3. eqnarray
4. eqnarraynonumber

\omegaはωです。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

おまけです。

記号の対応を考えて、数式を間違えないように入力し、LaTeXを実行してください。

TeX 説明
次に基本的な数式を示す.

\[
 A = \left( \begin{array}{cc}
             a_{11} & a_{12} \\
             a_{21} & a_{22}
            \end{array}
     \right)
\]

\[
 \delta(x) = \left\{ \begin{array}{ll}
1 & x = 0 \\
0 & others
\end{array} \right. \] \[ \begin{array}{lcr} \sin \omega t &=& \frac{e^{j\omega t}-e^{-j\omega t}}{2j}\\ \cos \omega t &=& \frac{e^{j\omega t}+e^{-j\omega t}}{2} \end{array} \] \[ F(\omega)=\int_{-\infty}^{\infty} f(t) e^{-j \omega t} dt \] \[ X(k)=\sum_{t=0}^{N-1} x(t) e^{-j k t / N} \]

複雑ですので、LaTeX参考書を読んでください。

 

 

 

プログラムの挿入  
 

プログラムを書きます。

プログラムは文章中に入れるよりも、図や付録として扱うことが多い。

TeX 説明

% プログラム
\subsection{プログラム}

(悪い例)
public class Hello {
    public static void main ( String argv[] ){
        System.out.println ("Hello");
    }
}


verbatim環境を使う.

(良い例)
\begin{verbatim}
public class Hello {
    public static void main ( String argv[] ){
        System.out.println ("Hello");
    }
}
\end{verbatim}

TeX はテキスト中の{}かっこ、スペース、改行を無視しますので、 プログラム等を挿入してもうまく表示できません。

verbatim 環境は、文字や改行をそのまま表示します。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

参考文献ページ  
 

参考文献を作ります。→教科書 p.100

ルール:使用した文献は、著作権を侵害しないように文献を明確する。

ルール:文献は、参照順序で並べる。

TeX 説明
\section*{参考文献}
% 参考文献リスト \begin{thebibliography}{9} \bibitem{電大太郎} 電大太郎,「書籍名」,出版社, 出版年 \bibitem{電大花子} 電大花子,``論文名'',○学会, ○巻, ○号, pp.123 \end{thebibliography} \end{document}

参考文献を付けます。

\bibitemで参考文献のラベルを指定します。(ラベルは表示されません。)

ラベルの後に続けて、「著者」、「文献名」、「出版社、巻、号、ページ」を書きます。

 

文章中で参考文献の番号を参照する。

TeX 説明

% 文献を参照する箇所

文献\cite{電大太郎}では,・・・実験を行った.

前回は・・・実験を行った\cite{電大花子}.

文献番号を参照する時は、 \citeを使います。

{}には、bibitemで指定したラベル名を入れます。

文献番号が??の時は、LaTeXを再実行します。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

さらに、文献データベースを作る方法もあるが、ここでは省略する。

 

 

レイアウト  
 

レイアウトのうち領域と改行幅調整をします。

TeXの標準レイアウトを使う場合は調整する必要がありませんが、他のソフトと合わせるためにはレイアウトを調整する必要があります。

TeX 説明
\documentclass[titlepage]{jarticle}


% レイアウト

\textheight 240mm
\textwidth 170mm

\topmargin 0mm
\oddsidemargin -5mm
\evensidemargin -5mm

\begin{document}

\baselineskip 14pt

プリアンブル部分(\documentclass\begin{document}の間)にレイアウトを指定します。

代表的なオプションを説明します。

本文の領域を指定します。
1.\textheight 高さ
2.\textwidth 幅

用紙の余白を指定します。
3.\topmargin 上余白(初期位置からの相対指定)
4.\oddsidemargin 左余白(初期位置からの相対指定)
4.\evensidemargin 左余白(両面印刷時の偶数ページのみ)

行間隔は、\begin{document}の下で指定します。
\baselineskip 行間隔

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

おまけ:2段組  
 

ページ構成を2段組にします。(2段組とは、ページ内を右と左に段分けをした形式です。)

TeX 説明
% 2カラムにする
\documentclass[twocolumn]{jarticle}

\documentclass[twocolumn]を加えると2カラム(2段組)になります。

タイトル部は1カラムで、本文から2カラムになります。

(本文で\twocolumn[...]{...}という方法もあります。)

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 

おまけ:本  
 

ドキュメントクラスを変更して「本」にします。

TeX 説明
\documentclass{jbook}

:
:

\maketitle

% 本にする。
\chapter{本}

:
:

\documentclass{jbook}で本にします。

jbookにはチャプターが必要になりますので、\maketitleの下に\chapaterを加えます。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 
おまけ:目次ページ  
 

タイトルの次に目次を書きます。

TeX 説明
\maketitle

% 目次
\newpage
\tableofcontents

% 本文
\newpage
\setcounter{page}{1}

\tableofcontents は目次ページを作ります。
タイトルページのあとに入れます。

TeXは、自動的に目次を生成します。

正しく目次を生成するために、2回以上、LaTeXを実行する必要があります。

 

LaTeXの実行をして、dvioutで確認します。

 

 
参考  
 

教科書 「知的な科学・技術文章の書き方」 (中島利勝、塚本真也 共著)

参考書 「LaTeX2e美文書作成入門」 (奥村晴彦 著)

 

 
アンケート  
 

 

 
課題  
 

講義で指示します。

 

   
  (C)2001-2004 Takashi Kohama, TDU/SIE