概要 | ||||||||||||||||
TeXとLaTeX2e TeXは組版ソフトです。「TeX」は「テック」とか「テフ」と読みます。フリーソフトです。 TeXは、テキストで書かれた文章ファイルをコンパイルし、印刷や表示が可能なファイル(dvi)を生成します。 今回は、TeXを拡張したLaTeX2e(「ラテック」とか「ラテフ」と読む)を使用します。
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特徴 | ||||||||||||||||
LaTeXの特徴
開発者 クヌース先生 (数学・コンピュータサイエンス)
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薦める点 | ||||||||||||||||
なぜワープロ(Word)ではなくTexなのか。
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インストール | ||||||||||||||||
TeX(LaTeX)、Ghostscript、dviout、WinShell などをインストールします。 ・Linuxの場合は、標準でインストールされています。(特にインストールする必要はありません。) ここでは、Windows版で説明します。 ファイルは圧縮状態で約100MByteあります。展開後は約300MByte必要です。 以下の順序でインストールを行います。
次に動作チェックを行います。
その他
おまけ
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LaTeX2e | ||||||||||||||||
LaTeX2eをインストールします。 必要なファイル:usr.exe (約100MB,自己展開圧縮ファイル) ・本来はいくつかのアーカイブファイルをダウンロードし、インストーラ(texinst752.exe)を使ってファイルを展開します。 「usr.exe」を実行(ダブルクリック)します。 展開ディレクトリが「C:¥usr」となっているか確認し、「OK」をクリックします。 ファイルが展開され、C:¥usr ディレクトリが作成されます。 この中にディレクトリlocalが入っていることを確認してください。 (注)展開ディレクトリを間違えた場合は、フォルダを移動してください。
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Ghost script | ||||||||||||||||
Ghostscriptをインストールします。 必要なファイル:gs707w32full.exe (7016KB,自己展開圧縮ファイル) ・新しいバージョンもありますので、最新が良い場合はそちらを(自己責任で)インストールしてください。 「gs707w32full.exe」を実行します。 展開するディレクトリ「C:¥temp」を確認して、「OK」をクリックします。 C:¥tempディレクトリの「setupgs.exe」を実行します。 「Install」をクリックします。 C:¥gsディレクトリが作成されます。
・インストールできないバグ?について 症状:ユーザ名に全角文字を使用して、「ユーザー環境変数」の「TEMP」および「TMP」に全角文字を含む場合は、インストールが失敗します。 原因:Ghostscriptが英語圏で開発され、2バイトの全角文字コードを正しく扱えないのが原因です。 対処:「ユーザー環境変数」の「TEMP」および「TMP」が他のソフトウェアに影響がない場合は「削除」をしてください。わからない場合は、メモをしてから削除してください。
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環境変数の設定 | ||||||||||||||||
LaTeX2eの環境変数の設定を行います。(WindowsXP) 「マイコンピュータ」で右クリックし、「プロパティ」を選択します。 「詳細設定」をクリックします。「環境変数」をクリックします。 「新規」で新しい設定を追加します。 次の2つの環境変数を設定します。
「Path」を選択し、 「編集」をクリックします。 現在の変数値に次の変数値を追加します。
「OK」をクリックします。 「システムのプロパティ」ダイアログの「OK」をクリックします。
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dviout | ||||||||||||||||
dvioutをインストールします。 必要なファイル:tex315w.exe (2170KB,自己展開圧縮ファイル) ・新しいバージョンもありますので、最新が良い場合はそちらを(自己責任で)インストールしてください。 「tex315w.exe」を実行します。 インストールするディレクトリ「C:¥dviout」を確認して、「OK」をクリックします。 インストールが終了すると dviout が起動しますので、設定をします。 (起動しない場合は、C:¥dvioutフォルダの中の dviout.exe を実行します。) フォント解像度を設定します。プリンタがインストールされていれば、その解像度を使用します。 ない場合はとりあえず300dpiにします。 「NEXT」ボタンをクリックします。 フォントディレクトリを設定します。(デフォルトでも動作します。)「NEXT」ボタンをクリックします。 実行スクリプトを設定します。ここで、自動設定「gen:」ボタンをクリックします。 「Automatic search? 」に対して、「はい」をクリックします。 設定されたら、もう一つの設定、「gsx:」ボタンをクリックします。 「Automatic search? 」に対して、「はい」をクリックします。 設定されたら、「Finish」ボタンをクリックします。 これでスタートメニューに登録され、設定は終了です。 起動画面が表示されます。 動作確認のためにサンプルファイルを開きます。 メニューバーの「File」「Open」を選択します。 C:¥dvioutディレクトリの中の適当なdviファイル(test_a4.dviなど)を開きます。 dviファイルが表示されます。
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WinShell | ||||||||||||||||
WinShellをインストールします。 ・他のエディタでも良いので必要に応じてインストールしてください。 必要なファイル:WinShell221.exe (1574KB,自己展開圧縮ファイル) 自己責任でどうぞ:WinShell25.exe (2323KB,自己展開圧縮ファイル,日本語パッチはありません。) 「WinShell221.exe」を起動します。 インストーラが起動しますので、質問に答えてインストールします。 問題なく終了したら、プログラムが起動します。 (または、ディスクトップにできたアイコンをクリックします。) 初回起動時に使用言語を聞いてきますので、とりあえず「English」にして「OK」をクリックします。 メニューバーの.「File」「Exit」で終了させます。
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WinShellのアップデートと日本語化 | ||||||||||||||||
WinShellのアップデート(2.2.2beta版)と日本語化パッチを行います。 WinShellを起動している場合、いったん終了します。 必要なファイル1:WS222beta.exe (947KB,自己展開圧縮ファイル) 必要なファイル2:JapaneseVersionForWinShell222beta20030415.exe (62KB,自己展開圧縮ファイル) エクスプローラで、ダウンロードディレクトリを開きます。 「WS222beta.exe」を実行します。 展開するディレクトリ「C:¥temp¥ws」を確認して、「OK」をクリックします。 次に、「JapaneseVersionForWinShell222beta20030415.zip」を実行します。 展開するディレクトリ「C:¥temp¥ws」を確認して、「OK」をクリックします。 エクスプローラで C:¥temp¥ws に展開されたファイルを全選択して、右クリックで「コピー」を選択します。 C:¥Program Files¥WinShell のディレクトリを開いて、右クリックで「貼り付け」を選択します。 (つまり C:¥temp¥ws に展開された全ファイルを C:¥Program Files¥WinShell のディレクトリにコピーします。) 同じファイル名が存在しますので、「すべて上書き」をクリックします。 これでコピーが完了しました。 WinShellを起動します。 「Choose Language」で「English」を選択して、「OK」をクリックします。 バージョンが上がっていることを確認します。 メニューバーの「Option」「Language」を選択します。 「User default language」を選択して、「OK」をクリックします。 メニューが日本語になったことを確認してください。
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WinShellの設定 | ||||||||||||||||
WinShellに日本語TeXプログラムの設定をします。
メニューバーの「オプション」「主なTeXプログラムの設定」を選択します。 オプションウインドウが表示され、「主なTeXプログラムの設定」になります。 「プログラム」の「LaTeX」を選択し、「exeファイル名」を「latex」→「platex」に変更します。 「プログラム」の「BibTeX」を選択し、「exeファイル名」を「bibtex」→「jbibtex」に変更します。 「プログラム」の「DVIWin」を選択し、「exeファイル名」が「C:¥dviout¥dviout.exe」になっていることを確認します。 「プログラム」の「DVI->PS」を選択し、「exeファイル名」を「dvips」→「dvipsk」に変更します。 「OK」をクリックします。 以上で、日本語TeXプログラムが設定されます。
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フォントの設定 | ||||||||||||||||
日本語フォントの設定をします。 メニューバーの「オプション」「フォント」を選択します。 オプションウインドウが表示され、「フォントの設定」になります。 現在のフォントの「変更」をクリックします。 日本語フォントを選択します。 フォントセット:「MSゴシック」、スタイル「標準」、サイズ「16」などを選択し、 文字セットを「日本語」(図は違っていますが。)にして、「OK」をクリックします。 現在のフォントが変更されたか確認をし、「OK」をクリックします。 以上で、日本語フォントが設定されます。 ・「強調表示」は、色によっては見づらくなったり、処理が重くなる場合があります。この場合はOFFにします。
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作業フォルダ | ||||||||||||||||
作業フォルダは特に指定しませんが、マイドキュメントにTeX専用のフォルダ ¥tex を作ります。 ここにTeXファイルを保存します。
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使い方(Windows) | ||||||||||||||||
WinShellを起動します。 新規作成で、エディタを開き、TeX文章を入力します。 (TeXのコマンドは半角アルファベットを使います。) 次の文書を入力します。
メニューバーの「ファイル」「別名で保存」を選択します。 保存する場所は特に指定しませんが、あらかじめ作った作業フォルダ(tex)にします。 ファイル名は「test.tex」で保存します。 (TeXファイルの拡張子は、".tex"を使います。) WinShellのメニューの「LaTeX」ボタンをクリックします。 もし、一番下のウインドウに「No pages of output ・・・・」が表示されたらエラーですので、もう一度見直します。 WinShellのメニューの「dviout」ボタンをクリックします。(初回だけ。) texから出力された dvi ファイルが表示されます。 dvioutのウインドウは閉じずに、WinShellのウインドウの枠をクリックして戻ります。 以降、texファイルを修正したら、「LaTeX」ボタンをクリックすれば、自動的にdvioutの画面が更新されます。
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使い方(Linux) | ||||||||||||||||
Linuxでは、bashのコマンドラインからTeXを実行します。 ここでは、TeXのファイルを sample.tex で保存したものとし、コンパイルをします。 コンパイルにより、TeXは、dviファイルを生成します。 %はコマンドプロンプトです。
エラーが出なければ、できたdviファイルをプレビューします。 エラーが出た場合は、行番号や位置が表示されますので、xキーで停止させ、エディタでその付近でエラーの箇所を探し、修正します。これがなかなか大変ですが。)
次からは、各項目のTeXファイルを入力したら、コンパイルを実行して、dviファイルをプレビューして確認してください。
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jsclasses | ||||||||||||||||
jsclasses(奥村晴彦さん開発)のインストールをします。
(usr.exeにはインストール済みです。) 必要なファイル:jsclasses-031124.zip (93KB) LaTeXの新しいクラス jsarticle、jsbook を使用できるようにします。 1.圧縮ファイルを展開します。 2.フォルダ C:¥usr¥local¥shear¥texmf¥ptex¥platex¥js¥ を作成し、そこに全てのファイルをコピーします。
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後始末について | ||||||||||||||||
不必要な圧縮ファイルやインストールに使用された一時ファイルを消去します。 消去しても良いファイルは、 1.プログラムのダウンロード先のフォルダと圧縮ファイル 2.C:¥temp の中の一時ファイル です。
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アンインストール | ||||||||||||||||
プログラムが不要になった場合のアンインストールは、次の項目を行います。 1.「コントロールパネル」「プログラムの追加と削除」。 GNU Ghostscript Font 2.環境変数のTEXMFMAINとTEXMF、Pathの追加部分の削除。 3.プログラムのフォルダとファイルの削除。 C:¥usr 4.アイコンやショートカットなどの削除。
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おまけ1 GhostView | ||||||||||||||||
GhostViewをインストールします。 (必ずしも必要ではないので、入れなくても良い。) 必要なファイル:gsv45w32.exe (1554KB) 1.実行するとインストーラが起動します。 2.指示に従ってインストールします。
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おまけ2 Jpeg | ||||||||||||||||
Jpegをdvioutで使えるようにします。 (必ずしも必要ではないので、入れなくても良い。) 図として、jpegファイルが使えるように、新たにプログラムをインストールします。 必要なファイル: ifjpeg029.exe (45KB) susieのプラグインifjpeg029.exeを実行します。 展開先ディレクトリ C:¥dviout¥SPI を確認して、「OK」をクリックします。 SPIをdvioutに設定します。 C:¥dviout ディレクトリの dviout.exe を実行します。 メニューバーの「Option」「Setup Parameters...」を選択します。 DVIOUTのプロパティで「Graphic」をクリックします。 「spi:」に「C:¥dviout¥SPU」を入力し、「Save」をクリックします。 「OK」をクリックします。 dvioutの設定をTeXにコピーします。
C:¥dviout¥GRAPHIC¥LATEX2E ディレクトリを開きます。 color.cfg と graphics.cfg を選択し、右クリックで「コピー」を選択します。 C:¥usr¥local¥share¥texmf¥tex¥latex¥config ディレクトリを開きます。 (元のcolor.cfgとgrahics.cfgをとっておきたい場合は、別名にします。) ここで、右クリックし、「貼り付け」を選択します。 C:¥dviout¥GRAPHIC¥LATEX2E ディレクトリを開きます。 dviout.def を選択し、右クリックで、「コピー」を選択します。 C:¥usr¥local¥share¥texmf¥tex¥latex¥graphics ディレクトリを開きます。 右クリックで、「貼り付け」を選択します。 以上で、インストールが完了します。 WinShellを起動して確認します。 usepackageの設定が変わります。
TeXに貼るjpegファイルをsample.jpgとします。(ファイル名は読み替えてください。) LaTeXを実行します。 DVIWinを実行します。 sample.jpgが表示されれば正常です。
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参考 | ||||||||||||||||
書籍 「LaTeX2e美文書作成入門」 (奥村晴彦 著) URL http://oku.edu.mie-u.ac.jp/%7Eokumura/texfaq/bibun3/ URL http://oku.edu.mie-u.ac.jp/%7Eokumura/texfaq/install-win32.html 書籍 「LaTeX2eトータルガイド」 (伊藤和人 著)(秀和システム) URL http://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/tex_dvioutw.html
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アンケート | ||||||||||||||||
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課題 | ||||||||||||||||
講義で指示します。
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(C)2001-2004 Takashi Kohama, TDU/SIE |