授業コード
32SM04AKTH
科目名
現代信号処理
英文名
Modern Digital Signal Processing
単位数
2.0
開講年度・学期
2017年度 後期
曜日時限
火曜2限
主担当教員名
小濱 隆司
副担当教員名
斎藤 博人
事前履修条件
学部の「ディジタル信号処理」「信号処理応用」の内容を理解していることが必要です.
目的概要
 信号処理は,音・画像などのさまざまな信号を数学的に加工するための学問・技術です.扱う信号によりアナログ信号処理とディジタル信号処理に分類されます.アナログ信号からディジタル信号に変換するためは,サンプリング定理によってサンプリング周波数を決め,標本化をします.ディジタル信号処理では、サンプリング周波数を基準として処理をします.近年では,マルチレート信号処理と呼ばれる複数のサンプリング周波数による信号処理が行われるようになりました.

この科目では,マルチレート信号処理の理論と技術の習得を目的としています.

発表では,基礎的な信号処理の理論と技術の理解を深めます.講義では,マルチレート信号処理を説明します.また,中間レポートを通して理論と技術の確認,期末レポートを通して実践的な信号処理を行います.

講義態様:講義 
教科書名
「マルチレート信号処理 レート変換とマルチレートフィルタ」 高橋宣明,武部 幹
およびプリント等を使用する.
参考書名
「Advanced Digital Signal Processing Theory and Applications」 Glenn Zelniker, Dred J. Taylor

評価方法
発表,課題レポートの内容で評価する.

1.発表 40%
2.中間レポート(信号処理の基礎) 30%
3.期末レポート(マルチレート信号処理) 30%

学習・教育目標(到達目標)
マルチレート信号処理を理解し,応用できるようにすることを目標とする.

・発表前の学習として,担当する内容について理解し,パワーポイントまたはノートを準備してください.
・講義前の学習として,教科書内容を,熟読しておいてください.
・発表後の学習として,発表で指摘された内容を確認し,理解を深めてください.
・講義後の学習として,講義で取り上げた内容について,復習を行ってください.

予習,復習に1時間以上かけてください.

学位授与の方針(情報環境学研究科):DP1と対応
テーマ・学習内容(準備学習内容)
 <第1回>
ガイダンス

【事前学習】学部のディジタル信号処理の内容を確認してください.(90~120分)
【事後学習】学部のディジタル信号処理の内容を復習してください.(90~120分) 
 <第2回>
信号処理の基礎

1. サンプリング(標本化)と量子化
2. サンプリング周波数と周期
3. サンプリング定理
4. エイリアシング
5. ディラックのデルタ関数,クロネッカーのデルタ

調査した内容を発表する.

【事前学習】用語の調査と発表の準備をしてください.(90~120分)
【事後学習】用語の復習をしてください.(90~120分) 
 <第3回>
信号処理の基礎

6. A/D変換
7. D/A変換
8. Z変換
9. 線形システム
10. 時不変システム

調査した内容を発表する.

【事前学習】用語の調査と発表の準備をしてください.(90~120分)
【事後学習】用語の復習をしてください.(90~120分) 
 <第4回>
信号処理の基礎

11. 因果システム
12. インパルス応答
13. FIRシステム
14. IIRシステム
15. フーリエ変換・離散フーリエ変換

調査した内容を発表する.

【事前学習】用語の調査と発表の準備をしてください.(90~120分)
【事後学習】用語の復習をしてください.(90~120分) 
 <第5回>
信号処理の基礎

16. 伝達関数
17. たたみ込み
18. システムの安定・不安定
19. ローパスフィルタ
20. ハイパスフィルタ

調査した内容を発表する.

【事前学習】用語の調査と発表の準備をしてください.(90~120分)
【事後学習】用語の復習をしてください.(90~120分) 
 <第6回>
マルチレート信号処理

・オーバーサンプリングADCとDAC

オーバーサンプリングADCの理論とADCの特性の改善について説明する.
また,オーバーサンプリングDACの理論とDACの特性の改善について説明する.

【事前学習】オーバーサンプリングADCとDACに関する予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】ADCとDACの特性の改善に関する復習をしてください.(90~120分) 
 <第7回>
マルチレート信号処理

・デシメーション

サンプリング周波数を下げるためにデータ間引(デシメーション)について説明する.

【事前学習】デシメーションの予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】デシメーションの復習をしてください.(90~120分) 
 <第8回>
マルチレート信号処理

・インターポレーション

サンプリング周波数を上げるためのデータ補間(インターポレーション)について説明する.

【事前学習】インターポレーションの予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】インターポレーションの復習をしてください.(90~120分) 
 <第9回>
マルチレート信号処理

・サンプリングレート変換

複数のサンプリング周波数(マルチレート)で標本化されたデータを扱う,サンプリングレート変換について説明する.

【事前学習】サンプリング信号の表現の予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】サンプリングレート変換の復習をしてください.(90~120分)  
 <第10回>
マルチレート信号処理

・ディジタルファイルの設計

ディジタルフィルタの設計方法について説明する.

【事前学習】ディジタルフィルタの設計方法について予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】ディジタルフィルタの設計方法の復習をしてください.(90~120分) 
 <第11回>
マルチレート信号処理

・フィルタバンク

ディジタル信号の伝送・圧縮において使用される,複数のフィルタを組み合わせた「フィルタバンク」について説明する.
また,2分割フィルタバンクと再構成可能なフィルタバンクの設計条件について説明する.

【事前学習】フィルタバンクの予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】フィルタバンクの復習をしてください.(90~120分) 
 <第12回>
マルチレート信号処理

・フィルタバンク

QMF(quadrature mirror filter)バンクを説明する.

【事前学習】QMFバンクの予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】QMFバンクの復習をしてください.(90~120分) 
 <第13回>
マルチレート信号処理

・フィルタバンク

サブバンドコーディングを説明する.

【事前学習】サブバンドコーディングの予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】サブバンドコーディングの復習をしてください.(90~120分) 
 <第14回>
マルチレート信号処理

・DSPプログラミングと課題

マルチレート信号処理をシミュレーションするためのDSPプログラミングを説明する.
期末レポートについて質問を受ける.

【事前学習】シミュレーションのためのプログラミングの予習をしてください.(90~120分)
【事後学習】DSPプログラミングの復習をしてください.(90~120分) 
 <第15回>
マルチレート信号処理

・DSPプログラミングと課題

マルチレート信号処理をシミュレーションするためのDSPプログラミングを説明する.
期末レポートについて質問を受ける.

【事前学習】期末レポートを作成してください.(90~120分)
【事後学習】期末レポートの内容を精査してください.(90~120分)  
 <備考>
 
質問への対応(オフィスアワー等)
授業後,オフィスアワー(金曜日14:00~15:00)に対応する.
E-Mail address
kohama@mail.dendai.ac.jp
h.saito@mail.dendai.ac.jp 
学生へのメッセージ
この講義は、学部の「ディジタル信号処理」や「信号処理応用」をベースとして発展させた内容です.
マルチレート信号処理の理論と技術の理解し,先端の技術者を目指してください.